2007年9月9日日曜日

広がる「連想検索」の世界


インターネットで検索をすることは、既に当たり前のような潮流さえ見受けられますが、このところ気になる検索サービスが発表され始めています。

それが「連想検索」。

現在の、入力した単語を含むページだけを表示する「キーワード検索」とは異なり、検索後に関連する単語を含んだページを表示するというものです。
これは、幅広い情報を収集する時に有効であり、従来の「絞込み型検索」に対して「提案型検索」という位置づけになります。


そもそも「キーワード検索」は、入力した単語を含むページを表示します。そのため、ユーザーが思うような結果が得られない時は、単語を組み合わせたり変えることで再検索をします。調べたい内容が明確な場合が検索時には多いのですが、大まかな情報収集には有用性が薄くなります。

今回の御題「連想検索」は、入力された検索語から利用者の関心を類推し、検索語と近い内容を含む情報も検索結果として提示するものです。

昨年(2006年)7月、国立情報学研究所がはじめた「想~IMAGINE」は、この「連想検索」を利用したものです。新書1万冊、大学図書館等1000館の蔵書900万冊の目次と内容を調べるサービスです。たとえば、「プロ野球」と入力すると、「プロ野球」そのものの単語を含む書籍と、米大リーグやスポーツ科学関連の書籍も表示されます。
関連性のクオリティについては、検索時の単語と、他の単語がWEBサイト上で共に使われる頻度から解析される仕組となっています。様は、使われる使われる頻度の高い単語を含むものは、検索語として入力されていなくとも、利用者の関心が高いと判断されるわけですね。
この「連想検索」技術をもちいて「reflexa(リフレクサ)」という連想検索エンジンを今年(2007年)5月にウィキペディアでもサービス開始していますし、富士フィルムは7月より画像データ分析用に「TRIPIT」という検索エンジンを開発し、野村総研でも社内技術文書検索用に「NRI連想検索」を開発しています。
今後の検索エンジン市場の変化は、ユーザーの認知より先回りをするサービスが求められてきそうな気配がします。これらのサービスを効率よく利用した検索連動広告の考え方も把握していく必要は必ずあると思う今日この頃です。
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