2007年8月4日土曜日

乳幼児の言葉習得はシンプル?~米国での研究盛ん

 幼児が生後1年を越え18ヶ月前後になると個人差はかなりありますが、「擬音語」「擬態語」に近い表現(ボキャブラリー)を少しずつはじめますね。この急激にボキャブラリーを増やすメカニズムは、意外とシンプルに説明できるかも知れない――そんな研究報告が8月2日、科学誌Scienceに発表されたそうです。アイオワ大学のボブ・マクマレイ助教授の発表です。

 いままでの発達心理学や言語発達の分野では、ボキャブラリーの急増は「ある時点で子供に何らかの変化が起こるからだと仮定」とされてきています。
これは子供が「ものには名前があることを発見」したり、「より効率的なメカニズムを使い始め」たり、「習得した単語を使って、新しい単語を発見し始め」たりすることが理由だとされてきたためです。

 そこで教授は、コンピュータシミュレーションと数学的分析を行った結果、以下の見解を示しました。

「単語はある一定数の繰り返しを行えば習得できると想定可能。習得が簡単な単語を小さな瓶、難しい単語を大きな瓶に例えると、単語を繰り返すたびに瓶の中身が増え、中身がいっぱいになったところでその単語を習得できるというメカニズムとなっている。
 簡単な単語(小さな瓶)よりも難しい単語(大きな瓶)の方が多いため、習得できる単語(いっぱいになる瓶)がある時期に急激に増えるのだ。 このメカニズムを踏まえて、一度に複数の単語を学ぶこと、簡単な単語よりも、難しい単語をより多く学ぶことが重要だ。

 確かに、保育環境下では乳幼児に対して言葉を発する場合、正確な単語や表現を伝達する必要があるんです。聴覚、嗅覚など五感を通して言葉を習得するわけですから、乳幼児は発音が曖昧ながら正確に言葉を発信しているのですが機能的に未だ発達途上なため、受信と発信の「音(チャネル)」が歪んでしまうんですね。

単語を取得する量を測り出すと、まだまだ未知数な生物であり脳の世界。
これをきっかけに、幼児教育の潮流が変わるかもしれませんね。
Google