2007年7月27日金曜日

いまどきTEENの携帯浸透~需要と金銭感覚

携帯電話は1990年後半から急速に普及し始め、2007年5月では契約数は9700万加入を突破。
計算上では、ほぼ日本人全員が1台ずつ持っている計算になります。

 利用方法も通話以外に、メールカメラの利用が当たり前。最近ではICチップを搭載しおサイフ携帯として買い物、定期券切符などの代わり、マンションの部屋鍵に使われていますね。更には映画のチケットUSJ施設予約チケットを携帯電話にダウンロードでき、施設の読み取り専用機にかざせば、チケット要らずで入場できたりと、どんどん携帯電話は進化し続けています。
 しかし、携帯電話の普及とともに、見知らぬ会社や団体からの高額請求、電車内のマナーの問題など、様々な社会問題も目立って顕在化しました。その中で、携帯電話が子供の金銭感覚を狂わせているというの隠れた社会問題が起きているのです。

  • 高校生の携帯電話普及率は90%以上
    最近とくに携帯電話を持つ子供を多く見かけるようになりました。以下が10代の子供たちの携帯電話の利用実態です。


    図1:「情報モラルに関する調査報告書」(平成17年3月、財団法人コンピュータ教育開発センター)[別ウィンドウ表示]

    図2:平成18年度情報通信白書(総務省)[別ウィンドウ表示]


 図1を見ると中学生の約半数が、そして高校生ではほぼ全員が携帯電話を保有しているというこ   とがわかります。また、図2を見ると月々の平均利用料金は10代の子供たちが突出して高くなっており、利用形態を見ると音声通話は少なく、メールやインターネット、着うたやゲームなどの非音声系サービスが多いのが特徴です。子供にとっては携帯電話がもはや生活必需品となっているのが伺え知る事ができます。

  • 携帯帯電話の利用料金
    図3:モバイル社会白書2006「一般向けモバイル利用調査」[別ウィンドウ表示]

  図3を見ると、約3割の子供が自分では支払っておらず、また図2のデータから1ヶ月あたりの平均    利用料金が15,000円を超えていることを考慮に入れると、大抵の子供が親に負担してもらっているというのが実態であることがわかります。

上記の実態から、CFP坂本 光氏は、子供の金銭感覚と大いに関係しているとの見解を下記のように示されていました。

 通常、私たちは何かを買うときは、お金と引き換えに物をもらいます。例えば、八百屋さんに野菜を買いに行くと、現金と引き換えに野菜を買うことができます。このとき、お金を持っていなければ買うことはできません。つまり、物を買う際には通常はお金を持っている必要があり、そのためには「自分の財布の中にいくらお金があるか」ということを気にしておかなければなりません。
ところが携帯電話の場合は、後で使った分をまとめて請求書にして送ってくるという「後払い」の仕組みになています。 この仕組みは、現金をいつも持たなくてもいいという点で大変便利なのですが、その反面、お金を持たなくても使えてしまうため、自分で管理ができていないと後で大変な金額を請求されて困ってしまう、ということにもなりやすいのです。                                 収入もなく、金銭感覚も身についていない子供にクレジットカードを持たせることに躊躇する親も多いでしょう。それは、クレジットカードが現金を持たなくても物を買えてしまう「後払い」のシステムだからなのです。

 つまり携帯電話もクレジットカードと同様、自分で管理ができないまま子供に持たせると、金銭感覚が身につかなくなってしまう危険性があるというのです。電子マネーも普及してきており、親のクレジットカードでチャージできるように設定してしまえば、それこそ子供は親のクレジットカードを持って自由に買い物ができることと全く同様なのです。特に子供の携帯電話の料金を親が負担する場合、無制限に使ってしまう可能性もあるわけです。
携帯電話は進化を続けていて、今後もますます便利になっていくことでしょう。しかし便利になるということは、裏を返せば、あまりお金のことを気にしなくても物が買えてしまうということでもあるのです。こうした危険性を親は認識し、子供に適切な管理をさせるということはとても重要なこととも示されていました。


 広告も然り、モバイル所有者のターゲットを意識した出稿とレスポンスだけを追いかけるのではなく、大人の意識を持って社会問題に介在しない広告立案を心がけたいものですね。

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