ハリウッドの主要映画会社で構成する米映画協会(MPAA)は29日、ニューヨークの海賊版DVD販売拠点3カ所が28日に摘発され、数千枚のDVDが押収されたほか関係者3人が逮捕されたと発表しました。
摘発には、マレーシアやフィリピンで違法DVD発見に活躍した探知犬のラブラドルレトリバー「ラッキー」と「フロー」が米国内で初めて動員され、有能ぶりを改めて実証したかたちとなりました。
さて、この「DVD探知犬」ですが、
海賊版DVDの
密輸を防止することを目的に、空港に配備されDVDのにおいを嗅ぎ分ける訓練を受けた犬のことです。
イギリスの業界団体である著作権盗難防止連盟(Federation Against Copyright Theft、FACT) と税関当局・
フェデックス社の協力のもと、作業犬としていろんな実績を持つ
ラブラドール・レトリーバーを選び、DVDの基盤材料である
合成樹脂の一種
ポリカーボネート(PC)-正確には
重合時に残留した
ビスフェノールAなどの
モノマー-のにおいを覚えさせる訓練を8ヶ月かけて施します。
2006年5月、DVD探知犬「ラッキー(Lucky)」と「フロー(Flo)」の二匹が
ロンドンの
スタンステッド空港で実地テストを行い、小包の中に梱包されたDVDを即座に嗅ぎ分けニュースとしても驚きだったのを覚えています。さらに同年9月26日には
ワシントンD.C.の
アメリカ映画業協会(Motion Picture Association of America、MPAA)本部でもデモンストレーションが行なわれていたそうです。以後、
香港や
アラブ首長国連邦などでもデモンストレーションが行われていました。
海賊版DVD密輸を検知する新しい手段としてDVD探知犬テストの成功を評価されていますが、ただし、二匹のラブラドール・レトリーバーはDVDそのもののにおいに反応するだけで、それが海賊版か否かは当然ながら判断できな・・・という課題もまだまだ尽きないでしょうね。